労災で会社に慰謝料を請求できるのか分からない。
請求できる慰謝料の相場を知りたい。
会社に慰謝料を請求する場合に気をつけた方が良いポイントを知りたい。
この記事は、このようなお悩みをお持ちの方のために書きました。

本記事を執筆した弁護士
目次
労災で会社に慰謝料請求できる? 弁護士が教える請求条件と相場
1. そもそも労災における慰謝料とは?
仕事中や通勤中に怪我をしたり病気になったりした場合、「労災(労働災害)」として扱われ、国が運営する労災保険から給付を受けられる可能性があります。しかし、労災保険の給付だけでは、被った精神的な苦痛に対する補償としては十分でないケースも少なくありません。そこで問題となるのが、会社に対する「慰謝料」の請求です。ここでは、まず労災における慰謝料の基本的な考え方と、労災保険との違いについて解説します。
1.1 労災保険給付に慰謝料は含まれない
労災保険制度は、業務上の事由または通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して、迅速かつ公正な保護をするために必要な保険給付を行うことを目的としています。
具体的には、治療費にあたる「療養(補償)給付」や、休業中の収入を補填する「休業(補償)給付」、後遺障害が残った場合の「障害(補償)給付」、死亡した場合の「遺族(補償)給付」や「葬祭料(葬祭給付)」などがあります。
これらの労災保険給付は、被災した労働者やその遺族の生活保障を主な目的としており、治療費や収入減といった経済的な損害を一定の基準に基づいて補填するものです。しかし、重要な点として、労災保険の給付項目の中に、事故や病気によって受けた精神的苦痛に対する賠償、すなわち「慰謝料」は含まれていません。
労災保険は、あくまで法律で定められた範囲の損害を填補(てんぽ)する制度であり、被災労働者が被った全ての損害(特に精神的苦痛)をカバーするものではない、ということを理解しておく必要があります。
1.2 会社への慰謝料請求は損害賠償請求の一部
労災保険から慰謝料が支払われないのであれば、精神的な苦痛に対する補償はどこに求めればよいのでしょうか。ここで登場するのが、会社(使用者)に対する損害賠償請求です。
会社には、労働者が安全で健康に働けるように配慮する義務(安全配慮義務)があります。また、他の従業員のミスなどによって労働者が損害を受けた場合、会社がその責任を負うこと(使用者責任)もあります。会社がこれらの義務を怠った結果として労災が発生した場合、被災した労働者は、会社に対して民法上の不法行為(民法709条)または債務不履行(安全配慮義務違反、民法415条)に基づき、損害賠償を請求することができます。
この損害賠償請求の中に、精神的苦痛に対する賠償である「慰謝料」が含まれます。つまり、会社への慰謝料請求は、労災保険給付とは別に、会社の法的責任を根拠として行う民事上の請求なのです。
損害賠償請求では、慰謝料の他にも、労災保険給付だけではカバーしきれない治療費、休業損害、後遺障害による逸失利益(将来得られたはずの収入)なども請求の対象となります。ただし、労災保険から既に給付を受けている項目については、その分が損害賠償額から差し引かれることになります(損益相殺といいます。)。
以下の表で、労災保険給付と会社への損害賠償請求(慰謝料含む)の主な違いを整理します。
項目 | 労災保険給付 | 会社への損害賠償請求 (慰謝料含む) |
---|---|---|
根拠法規 | 労働者災害補償保険法 | 民法 (不法行為、債務不履行) |
目的 | 労働者の迅速な保護・補償 (定型的な損害填補) | 被災労働者が被った全損害の賠償 (個別具体的な損害回復) |
請求相手 | 労働基準監督署 | 会社 (使用者) |
慰謝料の有無 | 含まれない | 含まれる |
請求の前提 | 業務または通勤による傷病等であること | 会社に法的責任 (安全配慮義務違反・使用者責任) があること |
給付/賠償の内容例 | 療養(補償)給付、休業(補償)給付、障害(補償)給付、遺族(補償)給付など | 治療費、休業損害、逸失利益、慰謝料など |
このように、労災保険と会社への慰謝料請求は、その根拠も目的も異なるものです。労災に遭われた場合、労災保険からの給付を受ける権利とは別に、会社の責任を追及して慰謝料を含む損害賠償を請求できる可能性があることを覚えておきましょう。
2. 労災で会社に慰謝料を請求できるケースとは?
労災保険からの給付とは別に、会社に対して慰謝料を請求できるのは、労災発生の原因について会社に法的な責任が認められる場合に限られます。労災が発生したからといって、自動的に会社への慰謝料請求権が発生するわけではありません。
具体的には、会社に「安全配慮義務違反」または「使用者責任」が認められる場合に、慰謝料を含む損害賠償を請求できる可能性があります。
2.1 会社に「安全配慮義務違反」または「使用者責任」がある場合
会社に対する慰謝料請求の主な法的根拠は、以下の二つです。
- 労働契約上の債務不履行責任(安全配慮義務違反)
- 民法上の不法行為責任(一般不法行為責任、使用者責任など)
これらのいずれか、あるいは両方が認められる場合に、会社への慰謝料請求が法的に可能となります。
2.1.1 安全配慮義務違反とは
安全配慮義務とは、会社(使用者)が、労働者が安全で健康に働けるように必要な配慮をする義務のことです。これは、労働契約に当然に含まれる義務と考えられています。
会社は、作業環境の整備、機械設備の安全確保、労働時間管理、健康診断の実施、ハラスメント防止措置など、労働者の生命や身体、健康を危険から保護するために、具体的な状況に応じて様々な措置を講じなければなりません。
この安全配慮義務を会社が怠った結果、労働者が労災(業務災害・通勤災害)に遭い、損害(精神的苦痛を含む)を被った場合、会社は安全配慮義務違反に基づく損害賠償責任(債務不履行責任または不法行為責任)を負う可能性があります。慰謝料はこの損害賠償の一部として請求されます。
2.1.2 使用者責任とは
使用者責任とは、従業員(被用者)が会社の事業の執行について(業務に関連して)、故意または過失により第三者に損害を与えた場合に、その使用者である会社も損害賠償責任を負うという制度です(民法第715条)。
例えば、同僚の不注意な運転操作によって怪我をした場合や、上司によるパワーハラスメントによって精神疾患を発症した場合などが該当します。この場合、被害を受けた労働者は、加害者である同僚や上司個人に対してだけでなく、会社に対しても使用者責任に基づいて慰謝料を含む損害賠償を請求できます。
ただし、会社が従業員の選任や監督について相当の注意を尽くしていたこと、または相当の注意をしても損害が発生したであろうことを証明できた場合は、会社は使用者責任を免れる可能性があります。しかし、実務上、会社側がこれを証明して責任を免れることは容易ではありません。
2.2 具体的な慰謝料請求が可能となる労災ケースの例
上記で説明した会社の法的責任(安全配慮義務違反・使用者責任)が問われ、慰謝料請求が認められる可能性のある具体的な労災ケースとしては、以下のようなものが挙げられます。
2.2.1 危険な作業環境を会社が放置していた
機械の安全装置が故障したまま使用させていた、有害物質が発生する場所で適切な換気や防護マスクの着用指示を怠っていた、高所作業で安全帯の使用を徹底させていなかった、床が滑りやすい状態を放置していたなど、会社が危険な作業環境を認識しながら改善せず、その結果として労働災害が発生した場合です。これは、会社の安全配慮義務違反が問われる典型的なケースです。
2.2.2 会社が十分な安全教育を行っていなかった
危険な機械の操作方法や、特定の作業手順に伴うリスクについて、十分な教育や訓練を行わずに作業に従事させた結果、事故が発生した場合も、会社の安全配慮義務違反が問われる可能性があります。特に、経験の浅い労働者や、新しい業務を担当する労働者に対しては、丁寧な安全教育が求められます。
2.2.3 過重労働による精神疾患や過労死
違法な長時間労働、休日・休憩の不足、ノルマによる過度なプレッシャー、上司からのパワーハラスメントなどが原因で、労働者がうつ病などの精神疾患を発症したり、過労死・過労自殺に至ったりした場合です。会社には労働者の心身の健康を守る義務(健康配慮義務、安全配慮義務の一環)があり、これを怠ったと判断されれば、安全配慮義務違反として慰謝料請求の対象となります。
2.2.4 同僚の故意・過失による事故(使用者責任)
社用車を運転していた同僚の不注意(過失)で事故に巻き込まれ負傷した場合や、他の従業員からの暴力・セクハラ・パワハラ(故意)によって精神的苦痛を受けた場合などです。これらのケースでは、加害者である同僚・従業員個人の責任(不法行為責任)に加え、会社も使用者責任(場合によっては安全配慮義務違反も)を問われ、慰謝料請求の対象となる可能性があります。
3. 労災でも会社への慰謝料請求が認められないケース
労災事故が発生し、労働基準監督署から労災認定を受けたとしても、必ずしも会社に対して慰謝料を請求できるとは限りません。会社への慰謝料請求は、あくまで民事上の損害賠償請求であり、労災保険給付とは別の法的根拠が必要となります。具体的には、会社に「安全配慮義務違反」または「使用者責任」といった法的な責任が認められない場合には、慰謝料請求は困難になります。ここでは、会社への慰謝料請求が認められない主なケースについて解説します。
3.1 会社に法的な責任がない場合
労災事故の原因が、会社の安全配慮義務違反や使用者責任に該当しない場合には、会社に対して慰謝料を請求することはできません。たとえ労災保険の給付対象となったとしても、それはあくまで労働者を保護するための社会保険制度であり、会社の民事上の責任とは直結しないためです。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。
- 地震、津波、台風などの予測困難な自然災害(不可抗力)が直接の原因である場合: 会社が通常の安全対策を講じていても、それを超える規模の天災によって被害が発生した場合、会社に責任を問うことは難しいでしょう。
- 通勤中や業務とは直接関係のない状況下での第三者による加害行為: 例えば、通勤途中に信号無視の車にはねられた場合など、事故の原因が完全に第三者にあり、会社の管理下で起きた事故ではないケースです。(ただし、通勤災害として労災保険の給付対象にはなり得ます)
- 労働者の私的な行為が原因である場合: 休憩時間中に同僚とキャッチボールをしていて怪我をした、個人的な恨みを持つ同僚から暴行を受けたなど、業務遂行性や業務起因性が認められにくい私的な行為に起因するケースでは、会社の責任は問われない可能性が高いです。
- 通常の業務では予見不可能な突発的な事故で、会社に過失がない場合: 設備が適切に管理・点検されており、作業手順も遵守されていたにも関わらず、予測不能な原因で事故が発生した場合などが考えられます。
これらのケースでは、労災保険からの給付は受けられても、会社に対して別途慰謝料などの損害賠償を請求することは原則として認められません。
3.2 労働者自身の過失が大きい場合
労災事故の発生について、労働者自身に大きな過失があったと判断される場合には、会社への慰謝料請求が認められない、または大幅に減額される可能性があります。これは、民法における「過失相殺」の考え方に基づきます。
具体的には、以下のようなケースが該当し得ます。
- 会社が定めた安全規則や作業手順、上司からの指示を故意に無視して危険な作業を行った場合(例:安全装置を意図的に解除して作業を続けた、立入禁止区域に侵入した)。
- 就業中に、業務とは全く関係のない極めて危険な私的行為を行い、それが原因で事故が発生した場合(例:工場内で禁止されている火気を使用し火傷を負った)。
- 泥酔状態など、正常な判断や操作ができない状態で危険な業務に従事し、事故を引き起こした場合。
労働者に過失があると判断された場合、その過失の程度に応じて、請求できる慰謝料額が減額されることになります(過失相殺)。過失割合は、事故の状況や双方の責任の度合いを考慮して個別に判断されます。
このように、労災が発生したからといって、自動的に会社へ慰謝料を請求できるわけではありません。請求が認められるためには、会社側に法的な責任が存在することが前提となり、労働者自身の過失の有無や程度も考慮される点に注意が必要です。
4. 労災による会社への慰謝料請求額の相場
労災事故によって被った精神的苦痛に対する賠償金である慰謝料は、個別の事案によって金額が異なります。しかし、過去の裁判例などから一定の相場が存在します。ここでは、労災における慰謝料の種類と、それぞれのケースにおける慰謝料の相場について解説します。
4.1 労災における慰謝料の種類
労災事故で請求できる可能性がある慰謝料は、主に以下の3種類に分けられます。
4.1.1 入通院慰謝料
入通院慰謝料とは、労災による怪我や病気の治療のために、入院や通院を余儀なくされたことによる精神的苦痛に対する慰謝料です。原則として、入院期間や通院期間が長くなるほど、慰謝料の金額は高くなる傾向にあります。治療期間に応じて算定されるため、傷害慰謝料とも呼ばれます。
4.1.2 後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料とは、労災による怪我や病気の治療を続けたにもかかわらず、症状が改善せず後遺障害が残ってしまった場合の精神的苦痛に対する慰謝料です。後遺障害の程度に応じて労働基準監督署によって等級(1級から14級)が認定され、その等級に基づいて慰謝料額が算定されます。等級が重いほど、慰謝料の金額は高額になります。
4.1.3 死亡慰謝料
死亡慰謝料とは、労災事故によって労働者が亡くなられた場合に、亡くなった労働者本人およびそのご遺族(配偶者、子、父母など)の精神的苦痛に対する慰謝料です。亡くなった労働者の家庭内での立場(一家の支柱であったかなど)や、扶養家族の有無・人数などが考慮されて金額が算定されます。
4.2 ケース別の慰謝料相場
慰謝料の算定基準には、自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準(裁判所基準)などがありますが、会社に対して損害賠償請求を行う場合は、最も高額になる傾向がある弁護士基準(裁判所基準)を用いて請求することが一般的です。以下に示す相場も、主に弁護士基準(裁判所基準)に基づいたものです。
4.2.1 死亡事故の場合の慰謝料相場
労災により労働者が死亡した場合の慰謝料相場は、亡くなった方の家庭における立場によって異なります。
- 一家の支柱の場合: 2,800万円程度
- 配偶者・母親の場合: 2,500万円程度
- その他の場合(独身者など): 2,000万円~2,500万円程度
これらの金額は、亡くなった労働者本人と遺族固有の慰謝料を合算した目安です。実際の事案では、これらの金額を基準に、個別の事情を考慮して調整されます。
4.2.2 後遺障害が残った場合の慰謝料相場(等級別)
後遺障害が残った場合の慰謝料は、認定された後遺障害等級によって大きく異なります。等級ごとの慰謝料相場(弁護士基準)の目安は以下の通りです。
後遺障害等級 | 慰謝料相場(弁護士基準) |
---|---|
第1級 | 2,800万円 |
第2級 | 2,370万円 |
第3級 | 1,990万円 |
第4級 | 1,670万円 |
第5級 | 1,400万円 |
第6級 | 1,180万円 |
第7級 | 1,000万円 |
第8級 | 830万円 |
第9級 | 690万円 |
第10級 | 550万円 |
第11級 | 420万円 |
第12級 | 290万円 |
第13級 | 180万円 |
第14級 | 110万円 |
上記はあくまで目安であり、具体的な症状や労働能力喪失の程度などによって変動します。特に、神経系統の機能または精神の障害(例:うつ病、PTSDなど)や胸腹部臓器の機能の障害については、等級認定が複雑であり、慰謝料額も個別の判断が重要になります。
4.2.3 入通院のみの場合の慰謝料相場
後遺障害が残らず、入通院治療のみで治癒した場合の慰謝料相場は、入院期間と通院期間に応じて算定されます。弁護士基準(裁判所基準)では、怪我の程度によって異なる算定表(通称「赤い本」別表Ⅰ(重傷用)と別表Ⅱ(軽傷用))を用いて計算されることが一般的です。
4.3 慰謝料相場に影響するその他の要因(過失割合など)
上記で示した相場はあくまで基本的な目安であり、実際の慰謝料額は様々な要因によって変動します。主な要因としては以下のようなものが挙げられます。
- 過失割合:労災事故の発生について、労働者側にも不注意(過失)があった場合、その割合に応じて慰謝料を含む損害賠償額全体が減額されます。これを過失相殺といいます。例えば、労働者の過失が3割と認定されれば、慰謝料額も3割減額されることになります。
- 会社の悪質性:会社側の安全配慮義務違反の程度が特に悪質である場合(例:法令違反の常態化、危険性の認識がありながら放置、労災隠しなど)は、慰謝料が増額される可能性があります。
- 被害者の状況:被害者の年齢、収入、家族構成、事故前の健康状態なども、慰謝料額の算定において考慮される場合があります。
これらの要因が複雑に絡み合って最終的な慰謝料額が決まるため、個別の事案に応じた適正な金額を知るためには、専門家である弁護士に相談することが重要です。
5. 労災で会社に慰謝料を請求する際の流れ
労災事故に遭い、会社に対して慰謝料を含む損害賠償を請求する場合、適切な手順を踏むことが重要です。ここでは、具体的な請求の流れをステップごとに解説します。
5.1 証拠の収集(事故状況、診断書、会社の対応記録など)
会社への慰謝料請求において、最も重要なのが証拠の収集です。会社に安全配慮義務違反や使用者責任があったことを客観的に示す証拠がなければ、交渉や法的手続きを有利に進めることは困難になります。事故発生直後から、意識的に関連する証拠を集め、記録・保管しておくことが肝心です。
具体的には、以下のような証拠が考えられます。
- 事故状況に関する証拠:
- 事故報告書、ヒヤリハット報告書
- 事故現場の写真や動画
- 目撃者の証言(氏名、連絡先、証言内容を記録)
- 事故発生時の作業指示書、マニュアル
- 関連する機械や設備の写真、点検記録
- 医療に関する証拠:
- 医師の診断書(労災事故による傷病であることを明記)
- 診療報酬明細書(レセプト)
- 後遺障害が残った場合は後遺障害診断書
- 入通院期間や治療内容がわかる記録
- 会社の対応に関する証拠:
- 会社との面談記録(日時、場所、担当者、内容をメモ)
- 会社とのメールやチャットのやり取り
- 会社からの指示や通達に関する書類
- 安全管理体制に関する資料(安全委員会議事録、研修資料など)
- 労災申請に関する会社とのやり取りの記録
- 労働状況に関する証拠:
- タイムカード、勤怠記録、業務日報
- 給与明細
- 雇用契約書、労働条件通知書
- (過重労働の場合)長時間労働を示す客観的な記録
これらの証拠をできる限り多く、正確に集めることが、後の交渉や法的手続きにおいて極めて重要になります。どのような証拠が必要か、どのように集めればよいか不明な場合は、早期に弁護士に相談することをおすすめします。
5.2 会社との示談交渉による慰謝料請求
証拠がある程度集まったら、まずは会社に対して直接、慰謝料を含む損害賠償を請求する示談交渉を行うのが一般的です。多くの場合、内容証明郵便で請求書を送付し、交渉を開始します。
請求書には、以下の内容を明確に記載します。
- 事故の発生日時、場所、状況
- 被った損害の内容(治療費、休業損害、慰謝料など)
- 請求する慰謝料を含む損害賠償額とその具体的な算定根拠
- 会社の安全配慮義務違反や使用者責任を指摘する根拠(収集した証拠に基づく)
- 回答期限
示談交渉は、裁判手続きを経ずに当事者間の話し合いで解決を目指す方法であり、比較的早期に解決できる可能性があり、費用も抑えられるというメリットがあります。しかし、会社側が責任を認めなかったり、提示する賠償額が低かったりするなど、交渉が難航することも少なくありません。また、法的な知識がないまま交渉を進めると、不利な条件で示談してしまうリスクもあります。
そのため、ご自身での交渉に不安がある場合や、会社側の対応に誠意が見られない場合は、弁護士に交渉の代理を依頼することを検討しましょう。弁護士が介入することで、法的な根拠に基づいた適切な金額での交渉が可能となり、精神的な負担も軽減されます。
示談が成立した場合は、必ず示談書を作成し、その内容(賠償額、支払方法、支払期限、清算条項など)を十分に確認してから署名・捺印するようにしましょう。一度示談が成立すると、原則として後から追加請求することはできません。
5.3 交渉がまとまらない場合は労働審判や訴訟(裁判)
会社との示談交渉が決裂した場合や、会社が交渉に一切応じない場合には、法的な手続きである労働審判や訴訟(裁判)を検討することになります。
5.3.1 労働審判
労働審判は、労働者と事業主との間の個別労働紛争を、裁判官(労働審判官)1名と労働関係の専門家である労働審判員2名で組織される労働審判委員会が、原則として3回以内の期日で審理し、調停または労働審判によって解決を図る手続きです。訴訟に比べて手続きが迅速に進み、費用も比較的抑えられるというメリットがあります。調停が成立すれば、その内容は和解と同じ効力を持ちます。調停が成立しない場合、労働審判委員会が事案の実情に応じた解決案(労働審判)を示しますが、当事者のいずれかが異議を申し立てると、自動的に訴訟に移行します。
5.3.2 訴訟(裁判)
訴訟は、裁判所に対して損害賠償請求訴訟を提起し、最終的に裁判官に法的な判断(判決)を求める手続きです。最も強力な解決手段であり、判決には強制力があります。複雑な事案や高額な請求の場合に適していますが、解決までに長期間を要し、弁護士費用などの費用も高額になる傾向があります。また、主張や立証を尽くす必要があり、精神的な負担も大きくなります。必ずしも勝訴できるとは限らない点にも留意が必要です。
労働審判や訴訟といった法的手続きは、専門的な知識や経験が不可欠です。手続きを有利に進め、適正な賠償を得るためには、労働問題に詳しい弁護士に相談・依頼することが強く推奨されます。弁護士は、証拠の収集から書類作成、期日への出席、相手方との交渉まで、一貫してサポートしてくれます。
6. 慰謝料などを増額するためのポイント
労災事故によって被った精神的苦痛に対する慰謝料や、その他の損害賠償について、会社からより適正で十分な補償を得るためには、いくつかの重要なポイントがあります。単に請求するだけでなく、戦略的に準備・交渉を進めることが、受け取れる金額の増額につながります。
6.1 十分な証拠を確保する
会社に対する損害賠償請求、特に慰謝料請求の成否や金額は、会社側の責任(安全配慮義務違反や使用者責任)をどれだけ具体的に立証できるかに大きく左右されます。そのため、事故直後から意識的に証拠を集めることが極めて重要です。
- 事故状況に関する証拠: 事故発生日時、場所、状況、原因などを詳細に記録したもの(メモ、報告書など)。可能であれば写真や動画も有効です。
- 医療に関する証拠: 診断書、診療報酬明細書、後遺障害診断書など。症状の経過や治療内容、後遺障害の有無・程度を証明します。
- 会社の安全管理体制に関する証拠: 安全マニュアル、研修資料、設備点検記録、ヒヤリハット報告書、過去の類似事故の記録など。会社の安全配慮義務違反を示す証拠となり得ます。
- 目撃者や同僚の証言: 事故状況や普段の会社の安全管理体制について、客観的な証言を確保します。
- 会社とのやり取りの記録: 事故後の会社担当者との面談記録、メール、録音など。会社の対応や認識を示す証拠になります。
これらの証拠は、時間が経つと散逸したり、入手が困難になったりすることが多いため、できる限り早期に、多角的に収集・保全しておくことが肝心です。
6.2 弁護士基準(裁判基準)での請求を目指す
交通事故の慰謝料算定で用いられる基準と同様に、労災事故における慰謝料算定にもいくつかの基準が存在します。具体的には、労災保険の基準とは別に、損害賠償請求で用いられる基準として主に以下のものがあります。
基準の種類 | 概要 | 金額水準 |
---|---|---|
自賠責保険基準 | 自動車事故における最低限の補償基準(参考) | 低い |
任意保険基準 | 各保険会社が独自に設定している内部基準 | 中程度 |
弁護士基準(裁判基準) | 過去の裁判例に基づいて算出される基準 | 最も高い傾向 |
会社側は、交渉において自社の基準や任意保険基準に近い低い金額を提示してくることが一般的です。しかし、弁護士に依頼し、弁護士基準(裁判基準)に基づいて請求・交渉することで、慰謝料を含む損害賠償全体の増額が期待できます。
6.3 適切な後遺障害等級認定を獲得する
労災事故により後遺障害が残った場合、その後遺障害の程度に応じた等級(1級~14級)が認定されるかどうかが、後遺障害慰謝料や逸失利益の金額を大きく左右します。
適切な等級認定を得るためには、以下の点が重要です。
- 症状固定時期の見極め: 治療を続けても症状の改善が見込めなくなった「症状固定」のタイミングを医師と慎重に判断します。
- 後遺障害診断書の記載内容: 医師に、後遺障害の内容や程度、事故との因果関係などを具体的かつ正確に記載してもらう必要があります。後遺障害診断書は等級認定の最も重要な資料となります。
- 必要な検査の実施: 等級認定に必要な画像検査(MRI、CTなど)や神経学的検査などを漏れなく受けておくことが大切です。
- 異議申し立て(審査請求・再審査請求): 認定された等級に不服がある場合は、審査請求や再審査請求といった不服申し立ての手続きを行うことができます。
後遺障害等級認定の手続きは専門的な知識を要するため、不安な場合は弁護士に相談することをおすすめします。
6.4 会社の過失を具体的に立証する
慰謝料請求が認められるためには、会社側に「安全配慮義務違反」または「使用者責任」があったことを主張・立証する必要があります。単に事故が起きたという事実だけでは不十分です。
具体的には、以下のような点を証拠に基づいて指摘します。
- 危険な作業環境(機械の不具合、安全設備の欠如、有害物質の管理不備など)を認識しながら放置していたこと
- 必要な安全教育や訓練を怠っていたこと
- 過重労働を強いるような勤務体制を敷いていたこと(長時間労働、休日不足など)
- 従業員の健康状態を把握・管理する措置を怠っていたこと
- 他の従業員の故意・過失行為(ハラスメント、暴力、操作ミスなど)を防止・監督する義務を怠っていたこと
会社の過失の内容や程度を具体的に立証できれば、慰謝料の増額につながるだけでなく、労働者側の過失(不注意など)が問われる場合でも、過失割合を有利に交渉しやすくなります。
6.5 慰謝料以外の損害項目も漏れなく請求する
会社への損害賠償請求は、慰謝料だけではありません。労災事故によって被った様々な損害を積み上げて請求することで、最終的に受け取れる金額を増やすことができます。労災保険給付だけではカバーされない、あるいは不十分な損害項目をしっかりと洗い出すことが重要です。
具体的には、以下のような損害項目が考えられます。
- 治療関係費: 労災保険でカバーされない治療費(自由診療の一部など)、入院雑費、将来の手術費・治療費など。
- 通院交通費: 公共交通機関の運賃、自家用車のガソリン代、駐車場代、タクシー代(必要性が認められる場合)など。
- 休業損害: 労災保険の休業(補償)給付は給付基礎日額の8割(特別支給金含む)ですが、会社への請求では、差額の2割分や、休業(補償)給付の基礎となった金額を超える部分(賞与など)も請求できる可能性があります。
- 逸失利益: 後遺障害が残った場合や死亡した場合に、将来得られたはずの収入の減少分。後遺障害等級や事故前の収入、年齢などに基づいて計算されます。
- 将来の介護費用: 重度の後遺障害により将来にわたって介護が必要となった場合の費用。
- 装具・器具購入費: 義肢、車椅子、介護ベッドなどの購入・レンタル費用。
- 家屋・自動車改造費: バリアフリー化のための自宅改修費用や、福祉車両への改造費用など。
- 弁護士費用: 損害賠償請求のために弁護士に依頼した場合の費用の一部(認容額の1割程度が目安)。
- 遅延損害金: 損害発生日(通常は事故日)から支払いを受ける日までの利息相当分。
これらの損害項目を正確に計算し、根拠となる資料(領収書、給与明細、医師の意見書など)を添えて請求することが、賠償額全体の増額につながります。
6.6 精神的苦痛の大きさを具体的に主張する
慰謝料は精神的苦痛に対する賠償ですが、その苦痛の大きさは個々の事案によって異なります。相場はあくまで目安であり、個別の事情を具体的に主張することで、相場以上の慰謝料が認められる可能性があります。
精神的苦痛が大きいと判断されやすい要素としては、以下のようなものが挙げられます。
- 事故態様の悪質性・危険性: 会社が明らかに危険な状態を放置していた、安全対策を意図的に怠っていたなど。
- 後遺障害の程度・内容: 特に、生命維持に不可欠な機能の喪失、重度の麻痺、高次脳機能障害、醜状障害(外貌の変化)など、生活への支障が大きい場合。
- 被災労働者の年齢や家族構成: 若年で将来への影響が大きい場合や、扶養家族が多い場合など。
- 事故後の会社の対応: 不誠実な対応、責任逃れ、隠蔽工作などが見られる場合は、精神的苦痛を増大させる要因として考慮されることがあります。
- 加害者(同僚など)の態様: 故意や重過失による事故の場合。
これらの事情を、証拠に基づいて説得力をもって主張することが、慰謝料増額の鍵となります。
6.7 早期に弁護士へ相談・依頼する
これまで述べてきたポイントを被災労働者自身で行うには、専門的な知識や経験、そして多大な時間と労力が必要です。特に、会社との交渉は精神的な負担も大きくなります。
労災問題に詳しい弁護士に早期に相談・依頼することで、以下のようなメリットがあり、結果的に慰謝料を含む損害賠償額の増額につながる可能性が高まります。
- 適正な損害額の算定: 弁護士基準に基づき、慰謝料だけでなく休業損害や逸失利益なども含めた適正な損害額を算出してもらえます。
- 証拠収集のアドバイスとサポート: どのような証拠が有効か、どのように集めればよいか、具体的なアドバイスを受けられます。
- 会社との対等な交渉: 法律の専門家である弁護士が代理人となることで、会社側も真摯に対応せざるを得なくなり、有利な条件での示談交渉が期待できます。
- 法的手続きの代行: 交渉が決裂した場合の労働審判や訴訟(裁判)といった複雑な法的手続きも、安心して任せることができます。
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7. 労災の会社への慰謝料請求に関する注意点
労災による損害について会社に慰謝料を含む損害賠償を請求することは、労働者の正当な権利です。しかし、請求を進めるにあたっては、いくつか重要な注意点があります。これらの点を理解しておかないと、本来受け取れるはずの賠償金を受け取れなくなってしまう可能性もあります。ここでは、特に注意すべき3つのポイントについて詳しく解説します。
7.1 損害賠償請求権の時効(消滅時効)に注意
会社に対する損害賠償請求権には、「消滅時効」という期限が法律で定められています。この時効期間を過ぎてしまうと、たとえ会社に責任があったとしても、損害賠償を請求する権利が失われてしまいます。
労災の損害賠償請求で問題となる時効には、主に以下の2種類があります。
- 会社に対する請求:
- 権利を行使できることを知った時(通常は損害の発生や加害者を知った時)から5年間
- 権利を行使できる時(通常は事故発生時や症状固定時など)から20年間
- 労災の申請:
- 以下のとおり。
給付金の内容 | 時効の期間 |
---|---|
療養(補償)等給付 | 療養の費用を支出した日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年 |
休業(補償)等給付 | 賃金を受けない日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年 |
遺族(補償)等年金 | 被災労働者が亡くなった日の翌日から5年 |
遺族(補償)等一時金 | 被災労働者が亡くなった日の翌日から5年 |
葬祭料等(葬祭給付) | 被災労働者が亡くなった日の翌日から2年 |
未支給の保険給付・特別支給金 | それぞれの保険給付と同じ |
傷病(補償)等年金 | 監督署長の職権により移行されるため請求時効はない |
障害(補償)等給付 | 傷病が治癒した日の翌日から5年 |
介護(補償)等給付 | 介護を受けた月の翌月の1日から2年 |
二次健康診断等給付金 | 一次健康診断の受診日から3ヶ月以内 |
時効期間は複雑な問題を含むため、事故発生から時間が経過している場合や、いつから時効が進行するのか不明な場合は、できるだけ早く弁護士に相談し、時効が完成していないか確認することが非常に重要です。時効が迫っている場合には、時効の完成を阻止するための法的な手続き(時効の完成猶予・更新)をとる必要があります。
7.2 労災保険給付との調整(損益相殺)
労災保険から治療費や休業補償などの給付を受けている場合、その給付額は、会社に対して請求する損害賠償額から差し引かれることになります。これを「損益相殺(そんえきそうさい)」といいます。
これは、同じ損害に対して労災保険と会社から二重に支払いを受けることを防ぐためのルールです。例えば、労災保険から休業(補償)給付として100万円を受け取った場合、会社に対して請求できる休業損害額が150万円だったとしても、実際に会社に請求できるのは差額の50万円となります(ただし、これは単純化した例であり、実際には計算方法が異なる場合があります)。
ただし、労災保険のすべての給付が損害賠償額から差し引かれるわけではありません。 労災保険には、通常の保険給付とは別に「特別支給金」という制度がありますが、これは労働福祉事業の一環として支給されるものであり、損害の填補を目的とするものではないため、損益相殺の対象外とされています。
項目 | 損益相殺の対象となるか | 備考 |
---|---|---|
治療費(療養(補償)給付) | 原則として対象となる | 自己負担した治療費は会社に請求可能 |
休業損害(休業(補償)給付) | 原則として対象となる | 給付額(原則平均賃金の6割)を超える部分は会社に請求可能 |
逸失利益(障害(補償)給付、遺族(補償)給付など) | 原則として対象となる | 給付額を超える部分は会社に請求可能 |
慰謝料 | 対象とならない | 労災保険からは支給されないため、全額を会社に請求可能 |
特別支給金(休業特別支給金、障害特別支給金など) | 対象とならない | 労働福祉事業としての性質を持つため |
損益相殺の計算は複雑になるケースも多いため、正確な請求額を把握するためにも、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
7.3 示談書の内容は慎重に確認する
会社との間で慰謝料を含む損害賠償について話し合いがまとまった場合、「示談書(または合意書)」を作成することが一般的です。示談とは、裁判外で当事者同士が話し合い、和解することです。
示談書に一度サインしてしまうと、その内容に法的な拘束力が生じ、原則として後から内容を覆したり、追加で請求したりすることは非常に困難になります。 そのため、示談書の内容は細部まで十分に確認し、納得できない点や不明な点があれば安易にサインしないことが極めて重要です。
示談書を確認する際には、特に以下の点に注意しましょう。
- 賠償金の金額は妥当か?: 提示された慰謝料やその他の賠償金の額が、同様のケースの裁判例や相場と比較して低すぎないか確認しましょう。弁護士に相談すれば、適正な金額かどうか判断してもらえます。
- 賠償の範囲は明確か?: 治療費、休業損害、逸失利益、慰謝料など、どのような損害項目に対していくら支払われるのかが具体的に記載されているか確認しましょう。
- 清算条項の有無と内容: 示談書には、「本件に関し、甲乙間には、本示談書に定めるもののほか、何らの債権債務が存在しないことを相互に確認する」といった内容の「清算条項」が含まれることが一般的です。これは、示談書に記載された内容以外には、今後一切の請求をしないという合意を意味します。この条項がある場合、後遺障害が悪化した場合など、予期せぬ事態が発生しても追加請求が難しくなる可能性があります。
会社側から提示された示談書の内容が、必ずしも労働者にとって有利なものとは限りません。少しでも疑問や不安があれば、サインする前に必ず労災問題に詳しい弁護士に相談し、内容をチェックしてもらうようにしましょう。
9. まとめ
労災が発生した場合、労災保険からの給付とは別に、会社に対して慰謝料を請求できる可能性があります。ただし、請求が認められるのは、会社側に安全配慮義務違反や使用者責任といった法的な責任がある場合に限られます。慰謝料には入通院、後遺障害、死亡などの種類があり、個別の事案に応じて相場が存在します。適切な慰謝料を得るためには、証拠収集や交渉が重要となり、弁護士への相談が有効な手段となります。請求権には時効があるため注意が必要です。
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